『デッキ構築の真髄とは紙1枚の調整にあり。1枚か2枚か、2枚か3枚か、3枚か4枚か、はたまた4枚か0枚か。
拡散と収斂を繰り返すその1枚の狭間には、決して紙一重ではない、調整者の苦悩が折り重なる。』


1.最初に

こんにちは、杉山です。 時は4月、ドミナリアが発売となり、新デッキが花開く時期ですね!
前回は緑単ガルタとその派生について考えましたが、今回は新環境/新カードを迎えての立ち位置や更なる派生を考えてみたいと思います。
それではよろしくお願いします!

2.サンプルリスト


サンプルリスト―『緑単ガルタ』

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12枚 1枚 3枚 3枚 4枚





4枚 4枚 4枚 4枚 4枚 4枚 2枚 1枚
3枚

4枚 3枚

何の変哲もないタッチたかり屋のリストです。
一人回しでは思う存分ガルタを叩きつけることができ、2ターン目《鉄葉のチャンピオン》は暴力そのものでした。

3.メタゲーム上の立ち位置:しんどい

しかしながら、当然そんな強力なデッキをメタゲームが許すはずもなく……どのデッキもまずはガルタを対策するところから構築がスタートし、びっくりするぐらいガルタの立ち位置は悪いです。
特に《残骸の漂着》《黎明をもたらす者ライラ》という白い2枚がクリティカル。



どんなにクリーチャーを並べようが、機体を駆使しようが、《残骸の漂着》は一発で全てを持っていきますし、殴り惜しんでいては《黎明をもたらす者ライラ》がダメージレースを逆転させてしまいます。
加えてトークンデッキは《黄昏+払暁》を撃ってきますし、あまつさえ《フレイアリーズの歌》第3段階から《燻蒸》を撃たれたりなんかした時はそりゃあもう衝撃でした。
どうやらガルタがこの先生き残るには何かしらの工夫が必要なようです。

4.生き残るために

つまり必要なのは・・・

《残骸の漂着》対策:継続したクロックおよびプレインズウォーカー
《黎明をもたらす者ライラ》対策:除去(身も蓋もない)

これらを無理なく積めるような構築を、ひとまず3パターン考えました。


杉山 雄哉―『緑単ガルタt黒』

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9枚 2枚 4枚 4枚 4枚





4枚 2枚 4枚 4枚 4枚 4枚 2枚 3枚

3枚 2枚 3枚 1枚 1枚

タッチ黒。
シンプルにタッチ《大災厄》。こちらもカウンター同様、理論上はすべての脅威に対応できます。
《屑鉄場のたかり屋》《秘宝探究者、ヴラスカ》も継続的なクロックとしてプレッシャーになります。


杉山 雄哉―『緑単ガルタt青』

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13枚 2枚 4枚 4枚





4枚 4枚 4枚 4枚 2枚 2枚

3枚 3枚 2枚 3枚 3枚 1枚 2枚

タッチ青。
《黎明をもたらす者ライラ》《残骸の漂着》もカウンターしてしまえばいいじゃない理論。
おまけのニッサ2種も《ラノワールのエルフ》《キランの真意号》のおかげで強力ですが、クリーチャーの陣容が貧相になってしまい、せっかくの強みをスポイルしかけてしまっています。

杉山 雄哉―『緑単ガルタt白』

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12枚 1枚 2枚 4枚 4枚





4枚 4枚 4枚 2枚 3枚 3枚

3枚 2枚 3枚 3枚 3枚 1枚 2枚

タッチ白。
《残骸の漂着》を構えているところに《豊潤の声、シャライ》が着地すれば流石に勝ちでしょう。(カウンターされそうですがそれでも最低限の仕事…)
《造命師の動物記》《ラノワールのエルフ》のおかげで2ターン目に出ますし、その《ラノワールのエルフ》を後半引いてもドローに変換できます。
《光輝の勇者、ファートリ》《不撓のアジャニ》も積もうと思えば。
3つのバージョンの中では一番カードパワーが高いので好みですが、その分もっさり感は否めません。


また、どのパターンにも共通して言えることですが、《活力のカルトーシュ》は検討に値するカードです。その場合は機体を少なめにしたり、《黎明をもたらす者ライラ》を乗り越えられるよう、《切り裂き顎の猛竜》などタフネス5がクリーチャー選定の一つの基準となるでしょう。

5.まとめ

構築を歪めない程度にメインから青白コンをメタった形を目指してみましたが、正直これでも相性は逆転したとは言えません。サイドはかなり青白コン用にカードを用意した方が良いでしょう。
代わりにデッキとしては前環境からの実績もあり、雑多なデッキは粉砕できるだけの十分なデッキパワーがあるため、今後もメタの一角には居座り続けることができるでしょう。

今回は環境初期・2回目のデッキということもあり、カード1枚1枚の採用理由、枚数選択などについては言及できませんでした。
次回以降はまた既存のデッキのチューンを解説するような形で情報量を増やしていきたいと思いますので、お楽しみに。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

6.おまけ

《ベナリアの軍司令》《ベナリア史》を吸血鬼デッキで使えないかなあと思って頭をひねったデッキを2種。


杉山 雄哉―『白黒吸血鬼Ver.1』

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5枚 4枚 2枚 4枚 4枚 4枚





4枚 4枚 4枚 4枚 4枚 4枚 2枚

3枚 4枚 4枚


杉山 雄哉―『白黒吸血鬼Ver.2』

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8枚 4枚 4枚 4枚 4枚





4枚 4枚 4枚 4枚 3枚 4枚

2枚 4枚 3枚 4枚

《手付かずの領土》は基本的には騎士を宣言します。
お試しリストで除去を0枚にしていますが、ともに数枚の除去では《残骸の漂着》《黎明をもたらす者ライラ》への相性が改善できずお蔵入りに。
やはり継続クロックが必要です。