こんにちは、高尾です。
『ドミナリア』が発売されてから早くも1ヶ月半が経ちました。
節目となるプロツアーでは数々の熱い試合が繰り広げられ、観戦に手に汗握った方も多いのではないでしょうか。特に赤系のビートダウンが7人もTOP8に残ったのは圧巻の出来事で、《ゴブリンの鎖回し》はこの環境を定義する1枚だということは誰の目にも明らかだったと思います。
余談になりますが、かくいう僕も赤黒ミッドレンジを持ち込んだ口で、結果は構築ラウンド0-3ドロップと散々だったもののデッキ選択に悔いはありません。
強いて言えば、青系コントロールに対してメインボードのガードを下げすぎたことが反省すべき点です。
先日のRPTQにもほぼ同様の構成でリベンジし、個人成績5-3-1でうち青系コントロールに6回当たって2-3-1と、芳しくない成績でした。
(チーム成績は5-1-1からの決勝2没でプロツアーの権利まで一歩届かず)
これはプロツアーでの反省を活かさなかったわけではなく、チーム戦に限って言えば青系コントロールに当たる確率はほぼ3分の1なので、敢えてガードを下げていたという意図があってのことです。
しかし、よくよく考えてみれば個人戦における青系コントロールの倍率は1割~多くても2割程度。単純に比較してもチーム戦の方が当たる確率が高いのは明白です。大会中にこれに気づくも、後悔先に立たず・・・。
確かに8回戦中6回も青系コントロールに当たったのはバイアス掛かっていますが、目論みが甘すぎたのは否めません。
直近の反省を語るのはこれくらいにして、今回も例の如くスタンダードのデッキをご紹介していきます。
プロツアーでは赤系アグロが支配的で、その翌週に開催された『GPコペンハーゲン』でも赤系アグロが6人もTOP8に残るなど赤の隆盛は留まることを知りません。実際MOのリーグでも体感4割くらい赤系アグロに当たっています。
僕も愛用している赤黒カラーを使っていきたいところですが、基本的には対策する側に回るのが自分のスタイル。デッキビルダーとは時代の流れに逆らうことで己の存在を誇示するのです。
さて、赤系アグロがここまで勝っているのは《ゴブリンの鎖回し》単体が強いこと以外にもいくつかの理由があります。それは環境のほとんどのデッキが以下のいずれかの弱点を抱えていて、多角的に攻めることでその弱点を必ず突いてくるからです。
などなど。
しかし、これらの弱点を全て克服できれば赤系アグロへの勝率は格段にアップするはずです。そしてそれを実現したデッキがこちらのエスパーミッドレンジです!
序盤から攻めることもできるので"ミッドレンジ"としていますが、大枠は除去多めのボードコントロールです。
通常の青系コントロールと違ってカウンターを採用していないので、盤面が押されているときでも能動的に対応できるのが特徴です。
前述した弱点を作らないよう、特に意識して構築したポイントがいくつかあります。
これらとは別に単純なリソース不足に陥らないよう、アドバンテージ源として《宝物の地図》や《ウルザの後継、カーン》、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を採用しています。
その他の採用カードについて説明します。
悪意の騎士、ベナリア史
赤系アグロの序盤のクリーチャーはおよそこれらで止めることができます。そうすることで全てのクリーチャーに除去を打つ必要がなくなり、余裕を持って上のマナ域のカードに対処することができます。
よくこれらに除去を打たれますがそれ自体は問題ではなく、除去を打たせてその分相手のクロックを遅らせることが重要です。
《ベナリア史》を複数出せたときの勝率は特に高く、赤系アグロに限らず多くのマッチアップで強力です。
ちなみに《悪意の騎士》は、《封じ込め》によってインスタントタイミングでパンプできるのもポイントです。
這い回る偵察機
リミテッドで評価の高いカードですが、かつて《巡礼者の目》が使われていたことも考えるとこのカードも十分構築級です。むしろ《ゴブリンの鎖回し》を耐え、《ボーマットの急使》を止められるのでこれの方が優秀かもしれません。
4ターン目にタップインしやすいこのデッキにおいて確実に4マナに伸ばせるのは嬉しいですし、チャンプブロックした後も《スカラベの神》の吊り先として重宝します。
《ウルザの後継、カーン》のためのアーティファクトカウントでもあります。
宝物の地図
1:1交換を繰り返していくデッキなのでアドバンテージ源は必ず必要です。
変身後は《ウルザの後継、カーン》のトークンが巨大化します。
ドミナリアの英雄、テフェリー、スカラベの神、黎明をもたらす者ライラ
僕が赤系アグロを使っていてきついと感じる5マナの怪物達。
カウンターがないので《ドミナリアの英雄、テフェリー》のアンタップ能力は弱いと感じるかもしれませんが、その分軽量除去が多めに入ってますし《宝物の入り江》を起こしたりできるのでなかなかに強力です。
続いてサイドボードについて。
強迫、アルゲールの断血、光袖会の収集者
メインは対クリーチャーデッキなので、コントロール用に厚めに採っています。
飛行機械による拘束
機体も触れる追加の追放除去。《イクサランの束縛》でもいいのですが、マナカーブの都合でこちらを優先しています。
人質取り
主に緑黒蛇と緑単ガルタ用です。
いかがでしたでしょうか。
実際にこのデッキをMOリーグで回しているのですが、今回のターゲットである赤系アグロに対しては今のところ6勝2敗とかなりの好感触です。
コントロールに対してもメインは絶望的というほどではなく、特定のカードが通れば勝てる見込みは十分あります。
このままいけば来週末参加予定の『GPシンガポール』も赤系アグロは恐らく最多勢力だと思うので、このデッキで特攻する可能性は大いにありそうです。
王道のコラガン(赤黒)でいくか王道潰しのエスパーでいくか・・・。
どちらのカラーリングも僕の愛称として呼ばれることがあるので非常に悩ましい選択です(笑)
それでは勝利レポートを書けることを願ってまた次回お会いしましょう!
『ドミナリア』が発売されてから早くも1ヶ月半が経ちました。
節目となるプロツアーでは数々の熱い試合が繰り広げられ、観戦に手に汗握った方も多いのではないでしょうか。特に赤系のビートダウンが7人もTOP8に残ったのは圧巻の出来事で、《ゴブリンの鎖回し》はこの環境を定義する1枚だということは誰の目にも明らかだったと思います。
余談になりますが、かくいう僕も赤黒ミッドレンジを持ち込んだ口で、結果は構築ラウンド0-3ドロップと散々だったもののデッキ選択に悔いはありません。
強いて言えば、青系コントロールに対してメインボードのガードを下げすぎたことが反省すべき点です。
先日のRPTQにもほぼ同様の構成でリベンジし、個人成績5-3-1でうち青系コントロールに6回当たって2-3-1と、芳しくない成績でした。
(チーム成績は5-1-1からの決勝2没でプロツアーの権利まで一歩届かず)
これはプロツアーでの反省を活かさなかったわけではなく、チーム戦に限って言えば青系コントロールに当たる確率はほぼ3分の1なので、敢えてガードを下げていたという意図があってのことです。
しかし、よくよく考えてみれば個人戦における青系コントロールの倍率は1割~多くても2割程度。単純に比較してもチーム戦の方が当たる確率が高いのは明白です。大会中にこれに気づくも、後悔先に立たず・・・。
確かに8回戦中6回も青系コントロールに当たったのはバイアス掛かっていますが、目論みが甘すぎたのは否めません。
デッキ紹介
直近の反省を語るのはこれくらいにして、今回も例の如くスタンダードのデッキをご紹介していきます。
プロツアーでは赤系アグロが支配的で、その翌週に開催された『GPコペンハーゲン』でも赤系アグロが6人もTOP8に残るなど赤の隆盛は留まることを知りません。実際MOのリーグでも体感4割くらい赤系アグロに当たっています。
僕も愛用している赤黒カラーを使っていきたいところですが、基本的には対策する側に回るのが自分のスタイル。デッキビルダーとは時代の流れに逆らうことで己の存在を誇示するのです。
さて、赤系アグロがここまで勝っているのは《ゴブリンの鎖回し》単体が強いこと以外にもいくつかの理由があります。それは環境のほとんどのデッキが以下のいずれかの弱点を抱えていて、多角的に攻めることでその弱点を必ず突いてくるからです。
・先手のぶん回りを対処できるほど軽除去が豊富ではなく、クリーチャーで抑えることも困難。
・追放除去が4枚以下しか入っておらず、《屑鉄場のたかり屋》や4マナ以上のカードを連打されると詰む。
・《損魂魔道士》+《ゴブリンの鎖回し》のコンボによって戦力が半壊する。
・プレッシャーをかけずらいデッキでかつ《強迫》で要所を抜かれると対応することもできなくなる。
・追放除去が4枚以下しか入っておらず、《屑鉄場のたかり屋》や4マナ以上のカードを連打されると詰む。
・《損魂魔道士》+《ゴブリンの鎖回し》のコンボによって戦力が半壊する。
・プレッシャーをかけずらいデッキでかつ《強迫》で要所を抜かれると対応することもできなくなる。
などなど。
しかし、これらの弱点を全て克服できれば赤系アグロへの勝率は格段にアップするはずです。そしてそれを実現したデッキがこちらのエスパーミッドレンジです!
:Download MO Format |
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土 地 |
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4枚 | 4枚 | 4枚 | 3枚 | 1枚 | 5枚 | 4枚 | 1枚 | |
ク リ │ チ ャ │ |
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4枚 | 2枚 | 1枚 | 2枚 | |||||
呪 文 |
||||||||
4枚 | 3枚 | 1枚 | 3枚 | 4枚 | 4枚 | 1枚 | 3枚 | |
2枚 | ||||||||
サ イ ド ボ │ ド |
||||||||
4枚 | 4枚 | 2枚 | 2枚 | 1枚 | 2枚 |
序盤から攻めることもできるので"ミッドレンジ"としていますが、大枠は除去多めのボードコントロールです。
通常の青系コントロールと違ってカウンターを採用していないので、盤面が押されているときでも能動的に対応できるのが特徴です。
前述した弱点を作らないよう、特に意識して構築したポイントがいくつかあります。
・8枚もの軽量除去の採用。
・8枚もの追放除去の採用。
・クリーチャーを必要最低限にすることで《損魂魔道士》+《ゴブリンの鎖回し》コンボの被害を抑える。
・中盤以降はプレッシャーをかけて相手に対応を迫る。
・8枚もの追放除去の採用。
・クリーチャーを必要最低限にすることで《損魂魔道士》+《ゴブリンの鎖回し》コンボの被害を抑える。
・中盤以降はプレッシャーをかけて相手に対応を迫る。
これらとは別に単純なリソース不足に陥らないよう、アドバンテージ源として《宝物の地図》や《ウルザの後継、カーン》、《ドミナリアの英雄、テフェリー》を採用しています。
その他の採用カードについて説明します。
赤系アグロの序盤のクリーチャーはおよそこれらで止めることができます。そうすることで全てのクリーチャーに除去を打つ必要がなくなり、余裕を持って上のマナ域のカードに対処することができます。
よくこれらに除去を打たれますがそれ自体は問題ではなく、除去を打たせてその分相手のクロックを遅らせることが重要です。
《ベナリア史》を複数出せたときの勝率は特に高く、赤系アグロに限らず多くのマッチアップで強力です。
ちなみに《悪意の騎士》は、《封じ込め》によってインスタントタイミングでパンプできるのもポイントです。
リミテッドで評価の高いカードですが、かつて《巡礼者の目》が使われていたことも考えるとこのカードも十分構築級です。むしろ《ゴブリンの鎖回し》を耐え、《ボーマットの急使》を止められるのでこれの方が優秀かもしれません。
4ターン目にタップインしやすいこのデッキにおいて確実に4マナに伸ばせるのは嬉しいですし、チャンプブロックした後も《スカラベの神》の吊り先として重宝します。
《ウルザの後継、カーン》のためのアーティファクトカウントでもあります。
1:1交換を繰り返していくデッキなのでアドバンテージ源は必ず必要です。
変身後は《ウルザの後継、カーン》のトークンが巨大化します。
僕が赤系アグロを使っていてきついと感じる5マナの怪物達。
カウンターがないので《ドミナリアの英雄、テフェリー》のアンタップ能力は弱いと感じるかもしれませんが、その分軽量除去が多めに入ってますし《宝物の入り江》を起こしたりできるのでなかなかに強力です。
続いてサイドボードについて。
メインは対クリーチャーデッキなので、コントロール用に厚めに採っています。
機体も触れる追加の追放除去。《イクサランの束縛》でもいいのですが、マナカーブの都合でこちらを優先しています。
主に緑黒蛇と緑単ガルタ用です。
終わりに
いかがでしたでしょうか。
実際にこのデッキをMOリーグで回しているのですが、今回のターゲットである赤系アグロに対しては今のところ6勝2敗とかなりの好感触です。
コントロールに対してもメインは絶望的というほどではなく、特定のカードが通れば勝てる見込みは十分あります。
このままいけば来週末参加予定の『GPシンガポール』も赤系アグロは恐らく最多勢力だと思うので、このデッキで特攻する可能性は大いにありそうです。
王道のコラガン(赤黒)でいくか王道潰しのエスパーでいくか・・・。
どちらのカラーリングも僕の愛称として呼ばれることがあるので非常に悩ましい選択です(笑)
それでは勝利レポートを書けることを願ってまた次回お会いしましょう!