1.ご挨拶

こんにちは、杉山です。
国内では約4ヶ月ぶりとなるグランプリ、GP静岡2017春に参加してきました。


……とその前に、記事の投稿が遅れに遅れ、申し訳ありません。
敗戦のショックで記事を書く気力が……というわけではありませんが、負けた時の記事は何を書けばいいか難しいのも事実です。
とは言え悩んでもしょうが無し。素直に書いて、反面教師にしてもらえればと思います。
それでは早速振り返っていきましょう。


今回のフォーマットはスタンダード。
それも環境が煮詰まった時期ということで、デッキで抜け出すことは困難という前予想でしたが……



2.デッキ選択

今回は2月頭のプロツアー終了後から練習を開始しました。
環境は色んな所で語られている通り明確で、そしてそこから抜け出す余地は非常に限られていました。

マルドゥ機体・BGエネルギー・ジャンドエネルギー・BG昂揚・アブザンミッドレンジ・4Cサヒーリ・BRゾンビ・青赤現出・ティムールタワー・ティムール即席タワー・ティムール霊気池
とかつて無い程のデッキを回し、特にBRゾンビは2月中旬~下旬に《ナヒリの怒り》《ボーマットの急使》《精神壊しの悪魔》など様々なパーツ(果ては《戦争に向かう者、オリヴィア》《流城の死刑囚》まで)を試し、そこそこの手応えを感じていたのですが、メタがBGから4Cサヒーリに移り断念しました。
BRゾンビにそれなりの時間をかけてしまったことに若干の後悔がありますが、その後の青赤現出を速攻で見切ったのでトータルイーブンということで^^

最終的に、GPを翌週に控え、候補はマルドゥ機体か4Cサヒーリの二択。
それぞれ細かいテクは採用していたもののまったく抜け出せる気はせず、前者はどこまで行っても土地トラブル・後者はパーツ1枚1枚のカードパワーに不満がありました。
4Cサヒーリは《チャンドラの誓い》《反逆の先導者、チャンドラ》をそれぞれ4枚積むことで多少のカードパワーの抵抗を試みていましたが、BGがメタから後退するにつれ、そもそもの《反逆の先導者、チャンドラ》というカードを疑うようになってしまっていました。末期です。

そんな折、同じジョニースポンサードプレイヤーの松本君が革新的な4CサヒーリでMORPTQを突破するというトピックスが飛び込んできました。
松本くんにリストを見せてもらうと、、、



Main Deck---------------------------
4《霊気拠点》
4《植物の聖域》
4《森》
3《獲物道》
1《島》
1《山》
1《平地》
3《尖塔断の運河》
21 Lands

4《守護フェリダー》
4《ならず者の精製屋》
4《導路の召使い》
2《新緑の機械巨人》
2《歩行バリスタ》
4《つむじ風の巨匠》
20 Creatures

4《サヒーリ・ライ》
3《霊気との調和》
4《蓄霊稲妻》
2《領事の旗艦、スカイソブリン》
2《チャンドラの誓い》
4《ニッサの誓い》
19 Spells


Sideboard Cards---------------------
1《新緑の機械巨人》
1《歩行バリスタ》
1《チャンドラの誓い》
2《反逆の先導者、チャンドラ》
3《鈍化する脈動》
2《否認》
3《グレムリン解放》
2《不屈の追跡者》



この革新性!
《新緑の機械巨人》自体は環境初期の4Cサヒーリで使ったことがありましたが、《歩行バリスタ》との組み合わせは新たな可能性です。
従来のリストで懸念だった1枚のカードパワーや他のカードとのシナジーも解決されており、お願いして一緒に調整をさせてもらうことになりました。



自分のほか、GP名古屋2016チャンピオンの平見くんも調整に加わり、自分からもいくつか新カードの意見を出し、それぞれが別カードや各カードの枚数を分担してテスト・調整し、最終的にMOの構築リーグで17勝3敗の成績を残せたことから使用リストを決定しました。
特に従来の4Cサヒーリに比べ、機体への相性の良さが抜群なことが決め手となりました。



Main Deck---------------------------
4《霊気拠点》
4《植物の聖域》
5《森》
3《獲物道》
1《島》
1《山》
1《平地》
1《尖塔断の運河》
20 Lands

4《守護フェリダー》
3《ならず者の精製屋》
4《導路の召使い》
2《新緑の機械巨人》
2《歩行バリスタ》
4《つむじ風の巨匠》
19 Creatures

4《サヒーリ・ライ》
3《霊気との調和》
1《ウルヴェンワルド横断》
4《蓄霊稲妻》
2《領事の旗艦、スカイソブリン》
2《チャンドラの誓い》
4《ニッサの誓い》
1《反逆の先導者、チャンドラ》
21 Spells


Sideboard Cards---------------------
1《新緑の機械巨人》
1《歩行バリスタ》
1《チャンドラの誓い》
2《鈍化する脈動》
3《金属の叱責》
3《グレムリン解放》
3《不屈の追跡者》
1《空鯨捕りの一撃》



リストについては松本くんや平見くんが解説してくれていますので、早速対戦レポに移りましょう。
《ウルヴェンワルド横断》《金属の叱責》《空鯨捕りの一撃》《鈍化する脈動》は全てオススメカードです。)






3.GP本戦

今回は千葉の反省を活かして前日入り。
しかし普通に仕事をしてたら必然的に終電しか選択肢がなく、新幹線の指定席は取れず、自由席は激混みでずっと立ちっぱなしでした。
日が変わる頃にホテルにたどり着き、なんとか気力でデッキリストを登録し、即寝落ち。


1回戦 BYE


2回戦 マルドゥ機体 先手 ××
初戦の入りはいつも緊張するもの……。そしてやらかしがちなものでもあります。
そう、今回のGP初戦では頭が寝ていたとしか思えないミスを連発。
練習で散々やったケースで定石と違うアクションを取ったり、ゲームプランを立てた2秒後に違うアクションを取ったり。
1ゲーム目は最終的に殴る予定もないソプタートークンを相手エンド時に出したために相手が《無許可の分解》をこちらのターンエンドと相手ターンで撃てるようになって飛行ブロッカーが足りなくなって負け。
2ゲーム目は練習で殆どなかったケース、2体の《歩行バリスタ》を並べ8マナありつつも相手の《領事の旗艦、スカイソブリン》他と睨み合う場となり、育て方を間違えて負け。
間違いなく2ゲームとも勝てるゲームで、終わった後はしばらく自己嫌悪+茫然自失でした。


3回戦 ティムールタワー 先手 ○×○
しかし落ち込んでばかりはいられません。
顔を洗い、会場外で深呼吸をして気持ちを入れ替えます。
1ゲーム目は《サヒーリ・ライ》が奥義までたどり着き、《領事の旗艦、スカイソブリン》《新緑の機械巨人》を並べて最後は《チャンドラの誓い》でバーンして勝ち。
2ゲーム目は3ターン目《電招の塔》から全てのアクションを捌かれて負け。
3ゲーム目は《サヒーリ・ライ》が細かくダメージを重ね、1対1交換を重ねていき勝ち。


4回戦 4Cサヒーリ 後手 ×○×
ホッとしたのもつかの間、同型に負け。
1ゲーム目、先手の利を活かされて負け。
2ゲーム目、サヒーリ奥義が炸裂し《歩行バリスタ》《新緑の機械巨人》でカウンターを乗せながら《領事の旗艦、スカイソブリン》でプレインズウォーカーを落としたり好き放題して勝ち。
3ゲーム目、痛恨のダブルマリガン。それでもハンドをすべて使い切る4ターン目《新緑の機械巨人》でワンチャン!と思うも《反逆の先導者、チャンドラ》+《守護フェリダー》で除去られて完敗。


5回戦 BG昂揚 先手 ○○
1ゲーム目、このマッチアップお手本のように相手のクロックに除去・《歩行バリスタ》で対処していき、最後は《歩行バリスタ》《新緑の機械巨人》がカウンターを載せて蓋をするというお株を奪うような勝ち方。
2ゲーム目、相手の《屑鉄場のたかり屋》だけ放置して他の脅威には対処し、相手が大振りなアクションでクロックを用意した返しにコンボを決めて勝ち。


6回戦 4Cサヒーリ 先手 ××
1ゲーム目、こちらの3ターン目サヒーリを《チャンドラの誓い》+《反逆の先導者、チャンドラ》で対処され、その後《サヒーリ・ライ》も追加されるも白マナがなく即コンボは無し。
返しに渾身の《領事の旗艦、スカイソブリン》《サヒーリ・ライ》を除去。相手のハンドも1枚でかなり有利!と思ったこちらのエンドに《蓄霊稲妻》《霊気拠点》用のエネルギーを用意され、返しのターンすごい勢いでトップから《サヒーリ・ライ》が再び降ってきてハンドから《守護フェリダー》で負け。
2ゲーム目、相手が1ターン目《領事の権限》。そのままこちらのクリーチャーを除去・除去・チャンドラ・フェリダーされて土地も10枚引いて負け。


7回戦 4C機体 先手 ○×○
1ゲーム目、相手ダブルマリガンで勝ち。
2ゲーム目、《新緑の機械巨人》《領事の旗艦、スカイソブリン》の二択で後者を選んだところ、見事に《否認》されて負け。
3ゲーム目、今度は《新緑の機械巨人》を選び、無事相手のアクションをスカせたようで、最後は相手の《大天使アヴァシン》《空鯨捕りの一撃》を合わせて勝ち。


8回戦 機体 先手 ○×○
1ゲーム目、1ターン差の勝負になるも最後は場に《領事の旗艦、スカイソブリン》がある状態で《サヒーリ・ライ》でコピー→手札から2枚目の《領事の旗艦、スカイソブリン》→搭乗して殴る=合計9点のビームをバラまいて勝ち。
2ゲーム目、恐ろしいほど土地を引いて負け。
3ゲーム目、残り時間が少なく《領事の旗艦、スカイソブリン》《グレムリン解放》しかないハンドを勝負キープ。
相手の《精神背信》を引き込んでいた《金属の叱責》でカウンターでき、無事相手の《異端聖戦士、サリア》《領事の旗艦、スカイソブリン》で除去。
次ターン《歩行バリスタ》と手がかりトークンを《グレムリン解放》でき、相手が色マナが出なくなってそのまま勝ち。


9回戦 4Cサヒーリ 先手○××
1ゲーム目、長期戦の結果、最終的にハルク!バリスタ!ソブリン!と好き放題して勝ち。
2ゲーム目、速攻で《領事の権限》を貼られ、こちらも《鈍化する脈動》を貼りにらみ合いになるも、こちらだけタップインでブロッカーを用意することに不自由し、チクチクと削られて負け。
3ゲーム目、残り時間がほとんど無く、相手の《サヒーリ・ライ》の返しに普段なら我慢して耐えるところを目をつぶってクロック展開。
もちろん返しにコンボ決められて負け^^



4.最後に

というわけでGP静岡2017春は5-4(1BYE)の初日落ちと、見事なまでに負けてしまいました><

負けを見ると、機体にミス自滅負けで1敗、4Cサヒーリ同型に3敗とあからさまな結果となりました。
敗因としては、同型相手のサイドプランの練り込みが足りなかったこと、サイドに《先駆ける者、ナヒリ》を用意しなかったことなどが反省点として挙げられます。
また、初戦の入り方は今後にも関わる重要な課題です。今後、大会の初戦は万全を期す必要があると強く実感しました。




今回、かつてない量の練習を積み、そして負けました。
自分はもともとどちらかと言えば練習嫌いなプレイヤーで、練習すればそれだけで勝てるという考えを持ったことはありませんでしたが、今回それでも練習し、それでも負けて分かったことが1つあります。


「勝てないから練習する。勝てるなら練習する必要はないし、勝てないなら練習するしかない」


当たり前。これ以上ないぐらい当たり前のことですが、自分は今までこれを腹の底から理解していたとは言い難いプレイヤーでした。
今回、本当に練習中、勝てずに苦労しました。
勝てない練習は楽しくありません。モチベーションも下がります。
いつもなら違うデッキを見つけそれに逃げ込むところですが、今回の環境は甘えデッキを許してくれる環境ではありませんでした^^
負け続け、ミスり続け、負け続け……
しかしある時、唐突に、結果が付いて来るにせよ付いて来ないにせよ、できることは練習しかない、と実感し、それ以降は勝てない練習も苦ではなくなりました(勝てる方が楽しいですけど^^)。
個人的なことですがこれは大きな収穫で、今後の練習における姿勢が大きく変わる予感がしています。

繰り返しになりますが、今回のGPは負けてしまいました。
負けたプレイヤーは……練習するしかありません。
次のGPは神戸、モダン。
現在のモダンはけして得意な環境ではありませんが、出来る限り、精一杯の練習をした上で望みたいと思います。
勝つために。



5.余談

今回、自分にしては珍しく、複数人と調整する機会を得ましたが、本当に過不足なく効率的かつ深い調整ができ、とてもいい経験でした。(一人だけ不甲斐ない結果でしたが^^)
この場を借りて松本くん、平見くんには改めてお礼を述べさせていただきます。ありがとうございました。

そして、最後まで読んでいただいたみなさま、ありがとうございました。
それではまた次の機会に!