初めての方ははじめまして!
どっかで見たことあるぞって方はこんにちは!

 

この度ジョニーのお店にスポンサードされることになりました、高尾翔太と申します。
今後自分にとっても読者さんにとっても実りある記事を書いていきたいと思いますので、ご愛読いただけますと幸いです。

 

 

記念すべき第1回目は『The Finals 2017』の参加レポートです!
The Finalsはかつて毎年開催されていた構築日本一決定戦で、構築屋の自分にとっては是非とも欲しいタイトルです。
そんなビッグイベントが6年ぶりに帰ってきたとなれば参加しない手はありません。

 

 

今回はなかなかメタが動かないスタンダード環境の中、僕がどのようにしてデッキを模索したのか、そして"改築に潜む罠"についてお伝えしていければと思います。

 

 

◆デッキ選択


現スタンダード環境はスゥルタイエネルギーや青白王神、青白サイクリング、青黒コントロールなど様々なデッキがありますが、実態としてはティムールエネルギー(4色含む)と赤単の二大巨頭が環境の5割近くを占めています。かくいう僕もしばらく赤単を使い続けていました。


 


アグロが好みだからというのもありますが、特筆すべきは単色かつマリガンに強くフラッド受けもあるという環境一の安定性を誇るデッキだからです。
もう一方の環境王者であるティムールエネルギーに対しても、メイン勝率5割と悪くありません。

 

の...はずでしたが、僕はこのティムールエネルギーに対する"メイン勝率5割"に違和感を覚えはじめました。
それもそのはず。


ちょっと前までは《つむじ風の巨匠》は3枚、《慮外な押収》はメインで多くても1枚が当たり前だったのが最近では前者は4枚、後者は2枚のリストが当たり前になっていたのです。

 

 


赤単の要である《熱烈の神ハゾレト》のヘイトカードが2~3枚増量されたとなった今、メイン勝率4割と僕の中で結論づいていました。

 

そこで今度は、地上が止まりずらく慮外な押収》が効きづらいビートダウンを模索することにしました。

真っ先に思い浮かんだのがマルドゥ機体です。

 

 

 

《キランの真意号》は相変わらず強いカードで、《牙長獣の仔》《逆毛ハイドラ》で地上を固められようともクロックを継続できます。

《熱烈の神ハゾレト》こそ通常のリストに入ってはいるものの、《反逆の先導者、チャンドラ》でも十分だと考えました。

 

 

ちなみに僕がこれまでマルドゥ機体を選択しなかったのには理由があります。それはタイトなマナベースに対し、序盤に3色とも要求してしまう点です。

 

僕はこう見えてもマナベースに少しうるさい方なので、一般的なマルドゥ機体のリストをプレイするとどうしても蕁麻疹が出てしまいます...。ですのでマナベースに関わる部分から根本的に見直すことに。

 

 

まず黒の要素についてです。


《無許可の分解》が環境的にさほど強くない今、黒いカードで本当に欲しいのは《致命的な一押し》のみ。

 

 

・・・かと言ってタッチするほどではないので黒いカードはいっそ抜くことにしました。
ただし《屑鉄場のたかり屋》だけは《秘密の中庭》《産業の塔》だけでも無理なく運用できるので採用。

 

 

 

次に白の要素についてです。


黒と同様、プレイしたい白いカードは少ないにも関わらず、1ターン目に安定して白マナが出るマナベースにするのはやや困難なので《模範的な造り手》は解雇することに。

 

ただし《キランの真意号》に搭乗できるクリーチャーは一定数必要なので、少ないながらも白の要素は残しました。

エネルギーデッキに劇的に刺さる《厳粛》を採用できるのも白の大きな利点です。

 

 

以上を踏まえ、赤単タッチ白黒をベースに改築しました。
それがこちらのリスト。

 

 

如何でしょうか、マナベース警察の方々。
全てのカードを適切なターンにプレイできる上に序盤のタップインもありません。

 

一応いくつかの採用理由について説明しておきます。

 

 

発明者の見習い

 


 


《模範的な造り手》には劣るものの、《損魂魔道士》より強く色的にプレイしやすいです。

 

 

 

栄光半ばの修練者

 


 

 


飛行機械トークンと相打ちする《経験豊富な操縦者》と違い、単体で継続してアタックできる点が魅力的。赤単などにももし残れば圧勝できるほどの脅威です。

 

 

 

イクサランの束縛

 


 


《熱烈の神ハゾレト》を採用していない代わりに、相手の《熱烈の神ハゾレト》を対処するために採用。もちろん《スカラベの神》にも強いです。

 

 

 

熱烈の神ハゾレト

 


 


さすがに対赤単には最強カードなのでサイドに置いてます。その他コントロールにも入れます。

 

 

 

◆The Finals当日


R1 スゥルタイエネルギー 後攻 ×○○


R2 4色エネルギー     後攻 ○○


R3 ティムールエネルギー 先攻 ○○


R4 ティムールエネルギー 後攻 ○××


R5 4色エネルギー     後攻 ××


R6 赤白機体       先攻 ×○×


R7 赤単         後攻 ○××

 

あらゆるエネルギーデッキとのマッチで《厳粛》が大活躍!これの影響で勝ったゲームが3つはありました。

 

 

問題はR4の2本目、夢に出るほどのミスを犯しました。
《厳粛を張っているにも関わらず、相手はエネルギーがない状態でこちらの《アン一門の壊し屋》《慮外な押収》

《アン一門の壊し屋》を奪われたら負けの状況で、勢いにやられて畳んでしまいました...。
畳んだ直後に気づくも時すでに遅し。


ライフは3しかありませんでしたが盤面はかなり有利で、これに気づいてればほぼ勝てたゲームでした。《蓄霊稲妻》を無効化できることは頭にあったんですが、なぜか《慮外な押収》は抜けていました。
完全に練習不足と注意力不足ですね。

 

それ以降も負けに負けを重ね、まさかの4連敗ドロップ。
全体的に後手が多かったのもありますが、大会中デッキの重大な欠点に気づけたので後述します。

 

 

◆改築に潜む罠


リストを見て気づかれた方も多いとは思いますが、通常のマルドゥ機体よりかなりカードパワーが低くなっています。
確かに大したことないカードを《慮外な押収》されたおかげでホッとした場面も多かったですが、逆に《熱烈の神ハゾレト》が欲しかった場面はそれ以上に多く決定力に欠けていました。
その枠であった《イクサランの束縛》はビートダウンにとって重すぎる除去でしかありませんでした。

 

また、黒いカードを全て抜いた上に白も薄くするのはデッキパワーから考えて明らかに過剰だったので、どちらかのみで十分だったように思えます。
改めてマナベースを見返すと、あと少し白マナを増やすだけで《模範的な造り手》も採用できましたしね。

 

ざっくばらんに言いますと、改築するにしても"やり過ぎないこと"が今回得た教訓です。
大きく変えすぎるとそのデッキの魅力が薄れてしまいます。

 

 

◆最後に


僕は残念な結果に終わってしまいましたが、同じジョニーのお店所属の松本郁弥さんは見事TOP4と目覚しい活躍でした!

僕も負けてられないので来週のThe Last Sunはなんとしても勝ちたいです。

 

早速今回の反省を踏まえて良さ気なデッキができたので早くも来週末が待ち遠しいです!

それではまたお会いしましょう。