こんにちは。杉山です!
ただいま乗り継ぎ地の北京で7時間待ちです。
思わぬ休みが確保できGPシンガポールに参加できたはいいものの、急だったためにあまり航空券の選択肢がなく、帰路22時間というプランになってしまいました(笑)
せっかくなので、この時間を使ってGPの振り返りをしたいと思います。
◆練習期間
今回確保できた練習期間は約10日間。
急な話だったのでしょうがないですが、いつにない期間の短さです。
毎日練習できたわけではありませんが、平均して1日1リーグもしくは1ドラフト。トータルでシールド9回、ドラフト4回練習できました。(あとアイコニックマスターのドラフトを2回^^)
話には聞いていましたが、この環境は全体的にプレイアブルなカードが少なく、毎回シールドの構築には苦労させられました。
レアも1~2枚しか入らないプールが殆どで、今思えばやや運が偏っていたのかもしれませんが、いい練習にはなりましたし、おかげでいくつかこの環境のセオリーとも言える構築が分かってきました。
概ねこの環境には
・ナヤ恐竜
・グリクシス海賊
・白黒吸血鬼
・青緑マーフォーク
というアーキタイプがありますが、前述の通りこの環境はプレイアブルなカードが少なく、シールドでそのまま強いアーキタイプが組めることは稀です。
そのため、各色から優良カードを集められる緑多色というアーキタイプが最近では注目を集めています。
緑多色で大事なのはマナフィルター、序盤を支えるタフネス偏重のクリーチャー、飛行対策、除去、フィニッシャー。一歩下がってアドバンテージカード、ユーティリティーカード、ライフゲインです。
マナフィルターについては、緑には《新たな地平》《大物群れの操り手》《群棲する猛竜》があり、特に《新たな地平》は、コモンにも関わらず1枚でマナフィルター・マナ域のジャンプアップ・戦線を支えるクリーチャーのサイズアップと、1枚で3役をこなすスーパーカードで、《皇帝の先兵》などの下手なレアよりも断然点数は上です。
その他、上記の役割を兼ねているカードは点数が高く、《イクサーリの卜占師》、《葉を食む鞭尾》、《アゾカンの射手》、《財力ある船乗り》、《裕福な海賊》、《依頼殺人》、《崇高な阻止》、《押し潰す梢》、《輝くエアロサウルス》などが重宝されます。
フィニッシャーは《轟く棘背びれ》などがベストに近いですが、概ね《巨大な戦慄大口》で大丈夫ですし、いよいよとなれば《女王の工作員》などでもなんとかならないことはないです。
その他、《吸血鬼の印》や《風と共に》《継ぎ当ての翼》なども上記役割を兼ねながらフィニッシャーを作成できるため、あると嬉しいカードです。
《新たな地平》の出に左右されますが、それ以外のパーツの融通が効きやすいため、下振れの少ないアーキタイプです。
ゴミをこねて7-2 pic.twitter.com/ge3OPFvbvZ
— Fumiya Matsumoto@松本F (@matsu8922) 2017年10月28日
1ヶ月以上も前にこのセオリーに気付いていた松本くんは流石
練習では概ね半分がこの緑多色となり成績も良好だったため、本番では《新たな地平》が3枚引けるといいなあ、と願いつつシンガポールへ向かいました。
◆GP初日
金曜の仕事後に空港に直行し、シンガポール空港に到着したのは土曜朝6時半。
機内である程度寝られたとは言え、さすがにかなり体が重いです。
ゆっくりと朝食を食べ、顔を洗い、屈伸など軽く体を動かして、少しでも万全の体調に戻してから会場に向かいます。
さて、練習の項で丁寧な前フリを行っておいたのでもう察しがついているかと思いますが、自分が引いたプールは見事レアなし、ビートなし、カットラスなし!^^
無事緑多色デッキとなりました。
なお松本くんリスペクトで《吠えるイージサウルス》を取りましたが、これが明らかなノイズで、毎回サイド後は《凶兆艦隊の貯め込み屋》に代わっていました^^
対戦結果は・・・
1回戦 BYE
2回戦 RGw 後手 ○○
平均的な恐竜デッキ。サイド後は《軍団の裁き》で与し易く。
3回戦 RG 後手 ○○
《翠緑の太陽の化身》から《レギサウルスの頭目》に繋げられて悶絶するも、《巨大な戦慄大口》が戦線を支え、46点まで膨れ上がった相手のライフを《輝くエアロサウルス》でコツコツ削って勝ち。
4回戦 WGru 先手 ××
超フラッドと土地2詰まり。《人質取り》まで出されて完敗。
5回戦 BUr 先手 ○×○
完成度の高いグリクシス海賊。なんとか《繁雑な火炎砲》で削りきり。
6回戦 BU 先手 ○××
3ゲーム目、序盤のかなり見え見えのアタックに対してボードを犠牲にテンポを取るつもりでブロック。予定通り相手にコンバットトリックを使わせたものの、そこからこちらが追加するブロッカーはバウンスとタップなどで満足にブロックをさせてもらえず削りきられ。
7回戦 RG 後手 ○×○
デカブツデッキは相性がいいです。
8回戦 RW 先手 ○×○
2ゲーム目に2ランドストップで負けてひやりとするもなんとか勝ち。
9回戦 UGr 原根プロ 後手 ○××
《繁雑な火炎砲》で1ゲーム目を取るも、2ゲーム目をマグロで落とし、気合を入れた3ゲーム目にフラッド。速やかに殴りきられてしまいました。
初日はトータル6-3(1BYE)。
欲を言えばあと1勝したかったところですが、9回戦が終わったときは疲れ果てていてそんなことを考える余裕もありませんでした。
そそくさとホテルにチェックインし、即就寝。
◆GP2日目
9時間睡眠のおかげで体調は復活。
既に3敗しているため、余計な事は考えず目の前の1戦1戦を勝つだけです。
ドラフトの戦略はほぼ考えていませんでした。
一応、練習で白青のアーキタイプの引き出しを作れていたので、白ができれば補色が何色でもOK。
もちろん白は人気色ですから素直にやれないことも十分に考えられます。
後は出たとこ勝負で考えていました。
そもそも練習が足りていないので余り高望みはできません^^
■ファーストドラフト
卓に日本人は自分だけ。初手は《再誕の司教》。
1-2に《司教の兵士》から2色目をうろうろしながらも白は譲らず。
途中やたらと《崇高な阻止》が流れてきて、3-8で「さすがに5枚目はいいか~」と思って《焦熱の連続砲撃》をカットしたら、実は3枚しかピックしてなかったのが反省点です^^
最終的なデッキはこちら。
《血潮隊の司教》は毎回《プテロドンの騎士》へとチェンジしていました^^
10回戦 RB海賊 後手 ○×○
《向こう見ず》、《乗っ取り》まで入っている前のめりなビートダウンデッキで、2ゲーム目は速やかに押し切られるものの、3ゲーム目に《司教の兵士》から《駆り立てる僧侶》連打でライフが34点になって勝ち。
11回戦 BU海賊 先手 ○○
探検海賊クリーチャーを複数枚の《溺死者の行進》で回収しアドバンテージ差を広げるボードデッキでしたが、《軍団の征服者》がそれ以上のアドバンテージを稼いでくれて勝ち。
12回戦 GUrマーフォーク 後手 ○○
お互いに一度も土地が詰まることなくストレートに12マナまで伸びるという、うんざりするゲーム展開でしたが、相手のブラフをことごとくスカす事に成功し、なんとかアドバンテージ差を広げられることなく《川の叱責》、《残骸の漂着》を乗り越えて勝ち。
なんと相手は平地0枚だったそうです。(《新たな地平》すげー)
■セカンドドラフト
上家に坪内さん、対面に小澤さんと少しだけ日本人の濃い卓。
初手は弱いパックから《司教の兵士》。
《帆凧の掠め盗り》から白黒を目指すも黒の流れはそれでおしまい。
しょうがなく《葉を食む鞭尾》から白緑を目指すも、白は完全に堰き止められ。
黒緑だけは避けたいので《難破船あさり》から青緑へ。こんな弱いシグナルあります?
幸いすぐに《セイレーンの見張り番》《水罠織り》と流れてきてどうやら青はやらせてもらえそう。
しかし緑すら流れが止まり、《金色の歩哨》ぐらいしか取るものがないパックが続きます。
そのまま1パック目は終了。有効カードは6枚。冷や汗が伝います。
2パック目初手、他に何もなく《航路の作成》。
2-2で《遺跡の略奪者》が流れてきて、腹は決まりました。
そこからなんとか黒のカードをかき集め、3パック目初手で待望の《海賊のカットラス》を引き当て、ギリギリ形に。
最終的なデッキはこちら。
《巧射艦隊の略取者》は毎回《財力ある船乗り》へとチェンジしていました^^
13回戦 RG 後手 ×○○
1ゲーム目は《ティロナーリの騎士》、《貪る死肉あさり》、《猛竜の群れ》、《反復連射》、《凶暴な踏みつけ》と動かれて瞬殺。
2ゲーム目はテンポで差し切り。
3ゲーム目は《帆凧の掠め盗り》で相手のハンドを見たところ《押し潰す鞘》と《反復連射》を確認し虐殺を覚悟するも、なんとか除去を撃たせている間に削りきるゲームプランを組み立て、トップにも助けられてぎりぎりライフを1点残して勝ち。
14回戦 BR海賊 先手 ×○○
1ゲーム目、リソースを使い切って相手
のライフを1点まで詰めたものの、《吸血鬼の印》をトップされ大逆転負け。
2ゲーム目、こちらの飛行チクチククロックと相手の地上ドカドカクロックとのダメージレース。
なんとかバウンスやチャンプブロックで耐えてライフ1点残してハンド0トップから《ヴラスカの侮辱》で相手のブロッカーを除去できて勝ち。
3ゲーム目、2ターン目《帆凧の掠め盗り》でハンドを確認したところ《焼熱の太陽の化身》、《稲妻砲手》、《風雲船長ラネリー》、《卑怯な行為》、《火炎砲発射》、《凶兆艦隊の侵入者》。
更に普通に土地を引かれ《風雲船長ラネリー》に走られ目眩を感じるも、相手に1ターンだけ土地も有効牌も引かれない前提の差し切るゲームプランを作り、最後は《座礁》で必至を作って勝ち。13手詰め。
まさか勝てるとは思わなかったです。
15回戦 UBr海賊 小澤さん 後手 ○○
東北の強豪小澤さんと最後にマッチング。
二人共オポは低めだったのでプレイオフはほぼ目なしのなんちゃってバブルでしたが、勝つか負けるかで賞金額が倍違ってくるのでやはりお互いに真剣です。
1ゲーム目、小澤さんの《指名手配の獄道者》ロケットスタートから《吸血鬼の印》まで付けられダメージレースは崩壊。
このままでは必敗なため、《難破船あさり》でブラフアタック、《水罠織り》で時間稼ぎなど必死の抵抗です。
何度目か分かりませんが、リソースを全部使ってダメージレースに持ち込み、最後にこちらの渾身の《繁雑な火炎砲》を小澤さんがトップしていた《見張りによる消散》でかわされるも、こちらもトップした《風を跨ぐもの》で最後のチャンプブロックが成功しギリギリ差し切り。
何回先後が入れ替わったか分からないほどの接戦でした。
2ゲーム目、《魔学コンパス》を出されるもこちらが《立ち枯れの守り手》、《航路の作成》からのブン回りで、最後は《座礁》で詰めろをかけて勝ち。
というわけで2日目は6-0。
トータル12-3でオポ落ち13位でした。
感想としてはとにかく《帆凧の掠め盗り》がMVPでした。
相手のハンドを確認した上でゲームプランが組み立てられたり、「相手のハンドを確認している」ためにブラフアタックが成立しやすくなったりと、ただのカードパワー以上の強さがありました。
環境的に探検能力で相手のハンドが更に透けるのもゲームプラン組み立てを後押しします。下手くそはハンデスを使え、とは良く言ったものです。
◆最後に
練習したシールドが6-3でそうでもないドラフトが3-0×2なのは少しだけ複雑な気持ちですし、オポ落ちは残念と言えば残念ですが、初日3敗の時点で多くは望めませんし、勝ち終わりなので気分の良い終わり方です。
どう考えても2日目は出来過ぎですしね。
次のGPは3月の京都。チーム構築戦です。
チームメイトは、臼井(GP京都2015[レガシー]・9位)、BIGs野稲(WMC2015東京予選[モダン]・準決勝契約死)というそれぞれレガシー・モダンのスペシャリスト。
おそらく自分はスタンダードを担当することになるでしょうから、今からイクサランの相克の発売が楽しみです!
精一杯準備をして頑張ろうと思います。
それでは最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
また次の機会に!