こんにちは、高尾です。いつもなら新セット発売時期に記事を執筆するのですが、諸事情によりタイミングがずれてしまったことをお詫び申し上げます。

さて、現在好評発売中の『灯争大戦』は誰もが胸を躍らせるエキサイティングなセットです。特に過去最大となる36枚ものPWは圧巻!!しかも日本語版に限りオリジナルイラストが封入されており、国内のみならず世界的にも人気で在庫が枯渇しているとか!ウィザーズもこのセットにかなり力を入れたことが伺えます。

そんな『灯争大戦』ですが、例のごとく僕が注目のカードTOP5で1位に挙げたカードを使ったスタンダードのデッキをご紹介・・・と言いたいところですが、その前にまずはメタゲームからおさらいしていきましょう。

新環境の指標となるデッキたち
先週から各地でミシックチャンピオンシップ予選が開かれており、前環境から活躍していたデッキのアップデート版だけでなく新たなアーキタイプも結果を残しています。


池田 英成 ―『スゥルタイミッドレンジ』
引用元:ミシックチャンピオンシップ・バルセロナ2019予選in東京 優勝
※リンク先は【晴れる屋】になります。

     
- 土地24枚 -
4 《森》
1 《島》
1 《沼》
4 《繁殖池》
4 《草むした墓》
2 《湿った墓》
4 《森林の墓地》
2 《水没した廃墟》
2 《愚蒙の記念像》

- クリーチャー25枚 -
4 《ラノワールのエルフ》
4 《マーフォークの枝渡り》
4 《野茂み歩き》
4 《翡翠光のレインジャー》
3 《正気泥棒》
1 《人質取り》
1 《デヴカリンのリッチ、ストーレフ》
1 《殺戮の暴君》
3 《ハイドロイド混成体》

- 呪文11枚 -
2 《暗殺者の戦利品》
1 《喪心》
2 《ヴラスカの侮辱》
2 《採取+最終》
2 《ビビアン・リード》
1 《戦慄衆の将軍、リリアナ》
1 《人知を超えるもの、ウギン》

- サイドボード15枚 -
4 《強迫》
3 《クロールの銛撃ち》
2 《打ち壊すブロントドン》
2 《漂流自我》
1 《喪心》
1 《否認》
1 《古呪》
1 《ヴラスカの侮辱》


オーソドックスなスゥルタイミッドレンジに《正気泥棒》を加えた形です。前環境では探検パッケージか《正気泥棒》のどちらかしか入ってないリストがほとんどでしたが、同系が少ないと踏んでか《人質取り》を減らすことでその枠に《正気泥棒》を採用しています。同じ理由で同系だけ唯一弱かった《暗殺者の戦利品》の2枚採用も納得です。


新戦力としてはメインボードに《デヴカリンのリッチ、ストーレフ》《戦慄衆の将軍、リリアナ》《人知を超えるもの、ウギン》が1枚ずつ、サイドボードに《古呪》が1枚採用されています。


《デヴカリンのリッチ、ストーレフ》《溶岩コイル》に弱い代わりに《喪心》が効きませんし、探検パッケージを回収するのに一役買いそうです。《戦慄衆の将軍、リリアナ》《人知を超えるもの、ウギン》は説明不要のパワーカードですね。双方とも《秘宝探究者、ヴラスカ》よりもリソースを稼ぐ手段に長けています。《古呪》はPWを多様するデッキがいる現環境なら必ずサイドに忍ばせておきたい1枚です。



加茂 里樹 ―『赤単アグロ』
引用元:ミシックチャンピオンシップ・バルセロナ2019予選in東京 準優勝
※リンク先は【晴れる屋】になります。

     
- 土地20枚 -
20《山》

- クリーチャー20枚 -
4 《狂信的扇動者》
4 《ギトゥの溶岩走り》
4 《遁走する蒸気族》
4 《ヴィーアシーノの紅蓮術師》
4 《ゴブリンの鎖回し》

- 呪文20枚 -
4 《ショック》
4 《稲妻の一撃》
4 《舞台照らし》
4 《魔術師の稲妻》
3 《実験の狂乱》
1 《炎の職工、チャンドラ》

- サイドボード15枚 -
4 《再燃するフェニックス》
4 《溶岩コイル》
2 《凶兆艦隊の向こう見ず》
2 《無頼な扇動者、ティボルト》
2 《総動員地区》
1 《焦熱の連続砲撃》


メインボードはかなりオーソドックスな赤単。変更点は《実験の狂乱》の4枚目の枠に《炎の職工、チャンドラ》が入っているくらいです。サイドボードで目を引くのは《無頼な扇動者、ティボルト》《総動員地区》


《実験の狂乱》《炎の職工、チャンドラ》はどちらも複数引きたくないカードなので散らした形が多いようですね。《無頼な扇動者、ティボルト》《野茂み歩き》《ケイヤの誓い》など赤単が苦手とするライフ回復へのアンチカードになります。《総動員地区》はサイド後《再燃するフェニックス》とセットで入れることで、粘り強いゲームプランに切り替えることが可能です。


大木 樹彦 ―『エスパーミッドレンジ』
引用元:ミシックチャンピオンシップ・バルセロナ2019予選in群馬 優勝
※リンク先はHareruya Hopes所属、大木 樹彦さんのツイッターアカウントになります。

     
- 土地25枚 -
1 《沼》
4 《湿った墓》
4 《神聖なる泉》
4 《神無き祭殿》
4 《水没した地下墓地》
4 《氷河の城砦》
4 《孤立した礼拝堂》

- クリーチャー12枚 -
4 《第1管区の勇士》
4 《正気泥棒》
4 《聖堂の鐘憑き》

- 呪文23枚 -
2 《灯の燼滅》
4 《思考消去》
4 《暴君の嘲笑》
1 《屈辱》
1 《ケイヤの誓い》
4 《時を解す者、テフェリー》
2 《復讐に燃えた血王、ソリン》
3 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
2 《戦慄衆の将軍、リリアナ》

- サイドボード15枚 -
2 《覆いを割く者、ナーセット》
2 《強迫》
2 《古呪》
3 《肉儀場の叫び》
1 《ヴラスカの侮辱》
2 《ドビンの拒否権》
1 《ケイヤの怒り》
2 《人質取り》


前環境から存在していたデッキですが、マナベースに対してそこまでカードパワーが高くなく、あまり目立った活躍はしていませんでした。しかし『灯争大戦』の加入によって《第1管区の勇士》以外全ての呪文が多色になり大幅強化!


特に《時を解す者、テフェリー》はコントロールやシミックネクサスに対し、カウンターや《荒野の再生》をほぼ無効化するほど強力です。ライフゲイン手段も多いことからビートダウンにも耐性があり、回りさえすれば多くのデッキに対して有利に立ち回ることができます。



市川 ユウキ ―『青白フレンズ』
引用元:ミシックチャンピオンシップ・バルセロナ2019予選in群馬 TOP8
※リンク先はTeam Cygames所属、市川 ユウキさんのツイッターアカウントになります。

     
- 土地26枚 -
3 《島》
3 《平地》
4 《神聖なる泉》
4 《氷河の城砦》
4 《次元間の標》
1 《アゾリウスのギルド門》
1 《進化する未開地》
4 《総動員地区》
2 《カーンの拠点》

- クリーチャー4枚 -
4 《迷い子、フブルスプ》

- 呪文30枚 -
4 《モックス・アンバー》
2 《宝物の地図》
4 《覆いを割く者、ナーセット》
4 《時を解す者、テフェリー》
2 《支配の片腕、ドビン》
2 《大判事、ドビン》
4 《謎めいた指導者、カズミナ》
4 《浄化の輝き》
2 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
2 《人知を超えるもの、ウギン》

- サイドボード15枚 -
4 《否認》
4 《不可解な終焉》
1 《ドミナリアの英雄、テフェリー》
2 《牢獄領域》
2 《放浪者》
2 《盾魔道士、テヨ》


お次は『灯争大戦』の象徴とも言えるようなデッキです。メインボードだけでも実に7種類ものPWが採用されており、ひとたびPWが生き残れば2人目が登場してどんどん手がつけられなくなります。《迷い子、フブルスプ》《モックス・アンバー》の供給源にもチャンプブロッカーにもなる貴重な2マナ域で、是非とも初手に欲しい1枚です。


一見PWが際立つこのデッキですが、特筆すべきは土地構成でしょう。このデッキであれば1枚で5点以上の回復が見込める《次元間の標》に加え、約2マナでクリーチャーになれる《総動員地区》、PWや《宝物の地図》のカウンターを増やせる《カーンの拠点》など複数の土地が潜在的アドバンテージをもたらしています。《主無き者、サルカン》の入ったジェスカイタイプも存在しますが、個人的にはこれら無色土地を使える青白型の方が好みです。



お勧めデッキ
ここで本題の僕が作ったデッキ紹介に移りましょう。今回僕が注目のカードTOP5で1位に挙げたカードは《戦慄衆の秘儀術師》でした。


実は先日開催されたJOT(ジョニーオープントーナメント)でもこのカードを使ったモダンのデッキで参加してきました。結果は5-2で10位と惜しくもTOP8を逃したのですが、《戦慄衆の秘儀術師》は目論み通りめちゃくちゃな強さでした。モダンの場合ハンデス、キャントリップ、除去と優秀な1マナスペルに溢れているので毎ターンマナをかけず何のリスクもなしにリソースを稼ぎ続けることができます。


ではスタンダードではどう使うのか?その答えがこちら。


『Wizard Smash』
高尾 翔太



19
2枚 1枚 4枚 4枚 4枚 4枚






16
4枚 4枚 4枚 4枚


25
4枚 4枚 4枚 4枚 4枚 4枚 1枚






15
4枚 2枚 2枚 2枚 1枚 3枚 1枚


基本的にはブロッカーを火力で退けながら殴っていくウィザードアグロがベースで、《戦慄衆の秘儀術師》《ショック》《選択》を唱えることになります。しかしたまに《争闘+壮大》が絡むととてつもないダメージを叩き出します。手順はこうです。



19点トランプル!!!(キメ顔

他にも3ターン目に《戦慄衆の秘儀術師》《光線分割の魔道士》のどちらかが場にいる状態で、もう片方を出し《サムトの疾走》で走らせるだけでも11点ダメージです。《ボーラスの占い師》はマリガンを緩和したり、《壮大》を探すことができるいぶし銀的存在です。



赤単のような軽いマナで除去を構えてくる相手は苦手ですが、PWコントロールのようなもっさりデッキに大しては無類の強さを誇ります。見た目以上に結構やるので興味がある方は是非お試しあれ!

今週末からのミシックチャンピオンシップ予選やGP台北に参加される方の参考になれば幸いです。それでは!