こんにちは、高尾です。

今回は禁止改定を含む『イクサランの相克』参入後のスタンダード環境についてお話し、そこから考察して作り上げたデッキをご紹介したいと思います。


 ◆禁止改定

1月15日深夜、スタンダードで《霊気池の驚異》以来となる禁止カードが発表されました。

《霊気との調和》《ならず者の精製屋》《ラムナプの遺跡》《暴れまわるフェロキドン》

 

 長らくの間、環境を支配し続けたエネルギーと赤単がついに弱体化されました。

双方ともぶっ飛んだデッキではありませんでしたが、新しいエキスパンションが追加されても環境が変わらないのはつまらないですからね。

 《霊気との調和》《ならず者の精製屋》はエネルギーの安定感を最も支えていた2枚なので妥当でしょう。

 《ラムナプの遺跡》についても本来長期戦に弱いはずの赤単がフラッドに強く、終盤の詰めがより確実なものとなっていたので妥当だと思います。

 《暴れまわるフェロキドン》については最初は驚きましたが、そのターゲットであったトークンや王神、副陽をメタゲーム上位に位置させデッキの多様性を図れるならと、今では腑に落ちています。


 ◆新環境のメタゲーム

さて、上記禁止カードと『イクサランの相克』参入によってメタゲームはどのように変移したのでしょうか?
1月16日以降、MOで5-0しているデッキと僕がリーグで当たったデッキを集計してメタゲーム分布を見てみましょう。

 さすがに環境初期なだけあって大分バラけてますね。いくつかのデッキについて簡単に説明しますと、

グリクシスエネルギー

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ティムールエネルギー(4色含む)が《霊気との調和》《ならず者の精製屋》を失ったことで緑を入れるメリットがほぼなくなり、グリクシスカラーに。

従来よりクリーチャー少なめ、除去とカウンター多めでややコントロールに寄った形。


 青緑マーフォーク

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《銀エラの達人》《深根の精鋭》《マーフォークの霧縛り》《オラーズカの暴君、クメーナ》など強力なマーフォークを手に入れ、ついに構築レベルに。

スペルが弱く不器用だが、ひとたびクリーチャーが並べば手のつけられないサイズになり4~5ターン目で殴り勝てる。


 赤白アグロ 

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《胆力の道》《ラムナプの遺跡》以上の働きをしてくれる赤単の亜種。
マナベースにやや難があるが、ぶん回りは従来の赤単をも凌ぐ。


王神の贈り物 

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天敵であった《暴れまわるフェロキドン》が禁止になり、《貪欲なチュパカブラ》《薄暮軍団の盲信者》を得たことで強化された。


 アブザントークン 

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王神の贈り物同様、《暴れまわるフェロキドン》が禁止になったことで実質的に強化された。


 黒緑アグロ 

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《巻きつき蛇》との相性がいい《翡翠光のレインジャー》を得て強化。


表を見てわかる通り、以前とは違ってコントロール要素が強めなデッキがメタゲーム上位に位置してきた印象です。

特にグリクシスエネルギーは従来のエネルギーと引けを取らないほどデッキパワーが高く、今後もトップメタに君臨することが予想されます。


 ◆デッキ構築

僕は『イクサランの相克』注目のカードTOP5記事《再燃するフェニックス》を第1位に挙げていたこともあって、このカードを使った赤系アグロを調整しました。

 赤単といえば、《ラムナプの遺跡》が禁止になったことで《陽焼けした砂漠》の価値も薄れ、単色にするメリットがほとんどなくなりました。

 前述した赤白アグロも非常にいいデッキなのですが、コントロール系が増えてきたため《屑鉄場のたかり屋》《無許可の分解》に目をつけて赤黒で組むことに。(やはり僕はコラガンの星で生まれたのでしょうか・・・)

 そのデッキがこちら。

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 いくつかの採用カードについて説明します。

 屑鉄場のたかり屋

 エネルギーから《牙長獣の仔》《逆毛ハイドラ》が抜けたことで、再び厄介な生物に生まれ変わりました。

除去コン相手には何度でも蘇ります。


 無許可の分解

元々強力な除去ですが、赤いデッキが比較的少ない今なら是非とも採用したい確定除去です。
《スカラベの神》《奔流の機械巨人》を退けつつ、6/5になった《発明の天使》を退けつつ3点与えれば一気に勝利に近づきます。


 キランの真意号

《無許可の分解》のアーティファクトカウントを増やすために採用。
王神の贈り物や黒緑カウンターアグロの地上を無視して継続した高いクロックを刻めます。


 ホネツツキ

3ターン目に除去を打ちつつ1マナで出す動きがほとんどで、そのまま《キランの真意号》に搭乗できます。
《キランの真意号》《ホネツツキ》《再燃するフェニックス》のフライングビートがむちゃくちゃ強いです。


 狂信的扇動者

《ショック》内臓クリーチャー。
《光袖会の収集者》《ボーマットの急使》《深根の精鋭》を除去でき、《導路の召使い》《牙長獣の仔》がいない今《ショック》である必要はほとんどありません。
《ホネツツキ》との相性もグッド。


 凶兆艦隊の向こう見ず

主にグリクシスエネルギーや赤系アグロでサイドインします。
稀にですが相手の《ヴラスカの侮辱》《スカラベの神》を除去できることも。


 ・・・とここまで記事を執筆したところで再度デッキを回していたところ、《キランの真意号》に違和感を覚え始めました。

それもそのはず、表を見てわかるように環境の約60%ものデッキが《致命的な一押し》を採用していたのです。

そこで改めて構成を見直し、2マナ域は《屑鉄場のたかり屋》《地揺すりのケンラ》の除去耐性持ちのみにしました。

《地揺すりのケンラ》は環境から《牙長獣の仔》《導路の召使い》が減ったことが多少追い風になっています。

というのもエネルギーデッキ相手の後手2ターン目に除去から入る必要がほぼなくなったからで、2マナクリーチャーの価値は全体的に上がったと言えます。

その変更したリストで晴れる屋さんの「環境初陣戦」に参加したところ7-1からSE1没、MOPTQにも参加して7-2の12位とかなりの手応えを感じることができました。

こちらが現在のリストです。

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《炎鎖のアングラス》を新しくサイドに採用したのですがこれがまたなかなか。
ビートダウンなのでクリーチャーを奪うモードが強く使えますし、コントロール相手には《ヴラスカの侮辱》を打たれても最低2:1交換はしてくれます。


 

◆終わりに

如何でしたでしょうか?
おそらく赤系アグロには不利だと思うのですが、その他ほとんどのデッキには五分かそれ以上で渡り合えると思います。

ちなみに《再燃するフェニックス》は使えば使うほど好きになって個人的には《熱烈の神ハゾレト》より強いと思っています。

もちろん場持ち性能や打点で考えれば《熱烈の神ハゾレト》が勝っているのですが、やはり手札が複数あるときでも問題なく動けますし、何より複数体並んだ時は本当に手がつけられないです。

MOでも徐々に値上がってきてるのでリアルでも買うならお早めに!

また、スタンダードは禁止改定によって本当に面白い環境になったと感じるので、まだ触っていないという方は是非デッキを手にとって大会に出ることをお勧めします。

それでは。